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アットホーム投資 投資コラム 不動産投資Q&A 賃貸管理編:立ち退き料の必要性と算定基準

不動産投資Q&A

賃貸管理編

更新日:2010/1/14
質問

立ち退き料の必要性と算定基準

アパート経営を行っておりますが、老朽化(築35年)が目立ってきましたので、アパートを取り壊して、新しく建て替えることを計画しています。

 現在の入居者には、「現在の状態が継続すると安全性の問題も生じる可能性があるためアパートを取り壊すので、期日までに退去をお願いする」という旨の書面を半年前に配布しましたところ、複数の入居者のから立ち退き料を請求されました。

 この場合、立ち退き料を支払わなくてはならないのでしょうか。支払うとしたら、立ち退き料の目安などはあるのでしょうか?


回答

アパート経営を長く続けていく上で、頭に入れておかなければならないことのひとつに、建物の老朽化という問題がありますね。未来永劫新築のまま建物が存続するわけではありませんので、ゆくゆくは建て替えも検討しなければならないときが必ず来ます。その際、入居していた方に退去をお願いしなければなりませんが、あらかじめ考えておかなければならないのが、この立ち退き料の問題です。

入居者に退去を要求するということは、建物賃貸借契約を契約期間の途中で解約、または建物賃貸借契約の更新の拒絶をするということになりますが、貸主からそれを請求する場合には、借地借家法第28条によると「正当事由」が必要となります。


1.退去を要求するための正当事由

先にお話をしておくと、今回の老朽化のための建て替えは、文章を読む限り、アパート倒壊の可能性が急迫しているとはうけとれませんので、正当事由と認められる可能性は低いため、立ち退き料の必要性が高いと考えられます。

仮に、地震などで建物が傾いたりして、その建物で入居者が生活を続けていくことに明らかに急迫した危険が存在していたり、貸主が経済上の理由からアパートを維持していくことが難しくなってアパートを取り壊すことになった、など貸主にとって不可避の事情がある場合には正当事由として認められ、立ち退き料が不要となる可能性が高いといえるでしょう。

つまり、貸主の事情と借主の事情のバランスが、立ち退き料が必要とされるか、不要とされるかのポイントとなるということです。

2.立ち退き料の算定基準

立ち退き料が必要となる場合の金額算定基準については、貸家の場合、明確な規定はありませんが、退去した入居者が新たにアパートを借りるための費用(礼金敷金等の初期費用、および引越費用)が目安になるでしょう。

ただし、すでに借主側に貸主と借主の間の信頼関係を著しく壊す程度の債務不履行(家賃の滞納が数カ月継続しているなど)がある場合は、立ち退き料が必要となる可能性はゼロに近いでしょう。

3.立ち退き料も必要なコスト

いたずらに訴訟に発展して時間的にも経済的にもお互いが疲弊することを考えれば、立ち退き料を支払うことで、更新の拒絶や解約の申入れがスッキリ解決するのであれば、貸主借主ともにメリットが大きいのです。

建物の老朽化による建て替え、それに伴う入居者への退去要求と立ち退き料の支払いはアパート経営を継続していくために、資金計画の中であらかじめ想定することのできるコストと言えます。スムーズなアパート経営の継続を行うためにも、資金計画に必要経費として考慮しておくのが、懸命でしょう。

今回は普通借家権に基づいて、立ち退き料の必要有無について考えました。一方、定期借家権に基づく契約では、契約で定めた期間の満了によって借家契約が終了するため、立ち退き料という考え方自体がありませんので、定期借家権に基づく借家契約をおこなうことも検討の一案と言えるでしょう。

ただし状況によって、対応の仕方が異なる場合もありますので、専門家に相談した上で問題解決に臨んでいただきたいことを最後に付け加えておきます。

キムラ ミキ氏
キムラ ミキ氏

ラフデッサン代表 ファイナンシャルプランナー 宅地建物取引主任者 社会福祉士

鳥取県米子市在住。
外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。現在はFP事務所ラフデッサン代表として、笑い(ラフ)のある生活設計のご提案をモットーにコラム執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!


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