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アットホーム投資 投資コラム 不動産投資Q&A 賃貸管理編:修繕計画

不動産投資Q&A

賃貸管理編

更新日:2009/10/15
質問

修繕計画

賃貸マンションのオーナーです。マンションの修繕費用について、計画的に対応する必要があると聞きました。今まで、不動産管理会社の提案で場当たり的に修繕を行ってきたと感じています。修繕を計画的に行う必要性について教えてください。


回答

人と同じように建物も歳を取っていきます。歳を取れば取るほど体に対するケアは一層大事になるでしょう。ですから、賃貸住宅経営においても、長期の修繕計画を考慮した事業計画の立案が不可欠であることを認識すべきです。ただ、闇雲に修繕をすれば良いというわけではなく、効果的に修繕をすることが大切になります。

しかし、長期修繕計画までを含めた事業提案がマンション経営事業提案においてなされていないのが現状です。長期修繕計画作成についての信頼できる建築士、マンション管理士等の専門家への相談が必要不可欠だと言えます。

1. 修繕は3種類に分かれる

一言に「修繕」といっても、目的により以下の3タイプに分けることができます。

  • 1.湯器、エアコン等の日常的な修繕。
  • 2.上防水、配水管等の大規模修繕工事。
  • 3.階段のスロープ化、デジタル放送対応等の機能改修工事。
  • (1)日常的な修繕工事は、居住スペースに関する事柄ですから、賃貸管理の中で対応しているのが現状です。この日常的な修繕を怠ると、入居者からのクレームや退室、しいては入居率の低下を招くことになりますから、投資効率の観点からも重要になります。
  • (2)建物全体が対象になる大規模修繕については、意見調整などの問題もあり、計画的な対応ができているか? 多くの点で疑問があります。例えば、屋上防水の劣化が進んでいるのにも関わらず、意見調整などに手間取り、その間に水漏れ事故などが発生することがあります。つまり、修繕を先延ばしにすることにより、賃貸経営のリスクを増大させることになります。また、建物の各部分の劣化により、内見者に悪い印象を与えてしまいかねません。大規模修繕は適切な時期に、定期的に行う必要があります。
  • (3)機能改修工事についても、賃貸経営においては重要なファクターとなります。お客さまのニーズは高まる一方でデジタル放送、インターネット対応がなされていない物件は市場での競争力が低いと言わざるを得ません。また、昨今の経済状況下で優良顧客の獲得はどの業界でも至上命題になっています。

以上のように、日常的修繕、大規模修繕、機能改修工事については長期的な計画に基づいて実施していく必要があり、そのために必要な費用を事業計画の中に入れておく必要があるわけです。

長期修繕の時期や金額については、分譲マンションの長期修繕計画策定手法が参考となります。特に、国土交通省が発表している、長期修繕計画費用順様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメントの資料が参考になり、長期区修繕計画作成の指針となります。また、長期修繕計画が作成されていない場合には、建物劣化診断が必要となることも理解しておくべきでしょう。

2. 長期修繕計画作成のポイント

国土交通省のガイドラインによると、長期修繕計画の目的は、「マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するために適時適切な修繕工事を行うことが必要」で、「必要に応じて建物及び設備の性能向上を図る改修工事を行うことも望まれる」とし、そのために、次に掲げる事項を目的とした「長期修繕計画を作成」し、これに基づいて「修繕積立金の額を設定する」ことが不可欠だとしています。

つまり・・・

  • 1.将来見込まれる修繕工事及び改修工事の内容、おおよその時期、概算の費用等を明確にする
  • 2.計画している修繕工事を実施するために準備する修繕積立金の額とその根拠を明確にする
  • 3.計画している修繕工事が円滑に実施されるように準備しておく

区分所有による分譲マンションと賃貸マンションとは違いはあるにしても、資産価値の維持を目的とするとの意味からは同じなので、この基準に基づいて対応すべきだと考えます。

3. 修繕内容の把握

修繕計画表を作成するには、まず、修繕する内容を把握する必要があります。具体的には、建物の劣化診断に基づいて作成する必要があります。

例えば、

  • 屋根⇒防水塗装工事
  • 外壁⇒防水塗装工事、コーキングの打ち換え工事
  • 外部廊下や階段の床⇒防水塗装工事
  • 給排水管⇒交換
  • 給水ポンプ⇒交換
  • エレベーター⇒交換
  • 機械式駐車場⇒交換

等があります。

それぞれに、適正な交換時期やメンテナンス時期の目安がありますから、この目安に基づいて、大規模修繕時期を決定していくと良いでしょう。

長期修繕計画の期間は、建物の構造・設備内容により異なります。新築マンションの場合は30年(およそ30年目の設備関係の修繕を含んだ期間)、既存マンションの場合は25年(大規模修繕(周期12年程度)が2回含まれる期間)が理想的です。

次に国土交通省の参考資料を付けておきます。この表により長期修繕周期の目安がわかります。

工事費用については、「建築数量積算基準」等を準拠して算定します。

計画予算については、この基準を参考にすべきでしょう。

●推定修繕工事項目、修繕周期等の設定内容 (PDF形式 43KB)

猪股 豊氏
猪股 豊氏

日本コミュニティサポート(株)代表取締役社長。
資産承継研究所(不動産実践塾『いの塾』)塾長。

主な著書に、週刊住宅新聞社『けったいで おもろい相続の話』、住宅新報社『マンションの価値を上げる 管理の超実践読本』(共著)。夕刊フジコラム『買って良いのか!このマンション』、住宅新報社新聞『不動産FPセミナー』執筆。


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