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アットホーム投資 投資コラム 不動産投資Q&A 賃貸管理編:敷金精算の問題と原状回復の問題

不動産投資Q&A

賃貸管理編

更新日:2009/04/30
質問

敷金精算の問題と原状回復の問題

所有する投資マンションに、8年間入居していた方が退去しました。先日賃借人立会いの下、入居関連事務を依頼している仲介業者に物件の確認をしてきてもらいました。長期間にわたり入居してもらったことと、その方が男性だったこともあると思うのですが、クロスの汚れも目立ち、お風呂やトイレ、ミニキッチンが黒ずんでいたとの報告を受けました。仲介業者の担当者が、賃借人に対してクリーニング費用等がかかりそうなので、敷金返還はあまりのぞめないかもしれない…と話をしたところ、あまり納得していなかったようです。敷金に関する明確な基準等はあるのでしょうか?


回答

1.敷金に関する目安とは

敷金に関する目安となる基準としては、平成10年にガイドライン(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)が国土交通省から発表されています。
ガイドラインでは、「経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるもの」と定義され、通常の使用での経過年数による変化や損耗(畳の日焼けや、壁や天井の汚れ)までは、賃借人が原状回復する義務はないとされています。

さらに、平成16年には、東京都で「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例」(東京ルール)が施行され、先述のガイドラインの内容をより明確化しています。
この条例は、住宅の賃貸借に係るトラブルを防止するために、原状回復等に関する民法などの法律上の原則や判例により定着した考え方を宅地建物取引業者が重要事項として説明することを義務付けたものです。

説明する内容は以下の項目となります。

  • 退去時の通常損耗等の復旧は、賃貸人が行うことが基本であること
  • 入居期間中の必要な修繕は、賃貸人が行うことが基本であること
  • 賃貸借契約の中で、賃貸人の負担としている具体的な事項
  • 修繕及び維持管理等に関する連絡先

ただ、東京ルール施行当初は、当ルールが全国に波及するものと考えられていましたが、地域によって契約形態が様々であることなども影響し、全国的な波及には至っていません。
しかし、「東京ルール」のように負担責任の所在を賃貸人および賃借人が、契約時に合意形成をしておくことが、退去時の敷金をめぐるトラブルを回避する最善の策であるといえます。
その参考目安として、今回は、多くの自治体がトラブル解決のよりどころとしている国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の内容についてお話をしておきます。


2.「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」のポイント

ガイドラインのポイントは「原状回復」と「通常の使用」の意味をどう考えるか?という点になります。

まず、「原状回復」の定義についてお伝えします。
ガイドラインでは、原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない〜つまり、新品の状態に戻すことでないことを明確化しています。
このことから、「通常の使用」の範囲内の損耗は賃貸人にて負担するということになります。

では、「通常の使用」についてはどう考えるのか?
ガイドラインでは、この概念を一般的に定義するのは非常に困難であるとして、「賃借人の住まい方、使い方次第で発生したり、しなかったりすると考えられるもの(明らかに通常の使用等による結果とは言えないもの)」および「基本的には賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても、発生すると考えられるものであるが、その後の手入れ等賃借人の管理が悪く、損耗等が発生または拡大したと考えられるもの」についてのみ、賃借人に原状回復義務があるとしています。

具体的には、下図のようにイメージできます。

(東京都都市整備局「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」より)

3.注意ポイント

ここで注意しておきたいのは、このガイドラインには法的拘束力がないということです。ですから、ガイドラインに抵触していたとしても、締結した賃貸借契約が民法や借地借家法などの法令に違反していなければ、一般的に問題にはならないという現実があります。

敷金の問題は、退去時の問題として考えている賃貸人の方は多いと思いますが、実は契約時に敷金精算、原状回復についてどのような契約を交わしたかが大きなポイントになります。
敷金の扱いについて、一方的に賃借人に不利益な契約を交わすことは、退去時のトラブルの原因となります。
契約時に、敷金の扱いについても明確化し、賃借人に理解をしてもらっておくことが重要です。

とはいえ、今回のご相談においては退去時のタイミングですから、賃借人へ先述のガイドラインをご説明して、ご理解を求めてみてはいかがでしょうか?

キムラ ミキ氏
キムラ ミキ氏

ラフデッサン代表 ファイナンシャルプランナー 宅地建物取引主任者 社会福祉士

鳥取県米子市在住。
外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。現在はFP事務所ラフデッサン代表として、笑い(ラフ)のある生活設計のご提案をモットーにコラム執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!


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