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アットホーム投資 投資コラム 不動産投資Q&A 賃貸管理編:設備の修繕義務!

不動産投資Q&A

賃貸管理編

更新日:2009/01/29
質問

設備の修繕義務!

賃貸借契約書で私(賃貸人)の修繕義務を免除する規定があります。これにより、全ての修繕義務が免除されると考えて良いのでしょうか。


回答

1.修繕義務は賃貸人が負うのが原則!

原則として、賃借の目的物になる建物(居室)の修繕義務は、賃貸人(家主)が負うことになります。
建物の毀損・汚損等については賃借人(借家人)に故意・過失がなく、契約書に修繕に関する特約もなければ、賃借人が修繕をした場合、賃貸人に対してその費用を請求することができます。

また、賃貸人には修繕義務があるので、建物の保存のために賃貸人が必要な修繕をしようとする場合、賃借人もこれを拒めません。最高裁の判例(昭和38年11月28日)では「貸家に生じた破損・汚損などすべてについて賃貸人に修繕義務が生じるわけではなく、居住の用に耐えきれない状態が生じ、著しく(生活に)支障が生じた場合に修繕義務が生じる」ということになっていますが、現実にはそんなわけにはいかないでしょう。


2.賃借人の修繕義務

ただ、建物を賃借人に修繕を負担させる、修繕に関する特約は原則として有効とされています。

賃借人の修繕義務を契約で取り決める場合、その範囲を具体的に取り決めておくことが後にトラブルを起こさない為のポイントとなります。

例えば、「ガラスの取替え、畳の表替え・裏返し、障子・襖の張替え、蛍光灯その他の照明器具の交換、台所・風呂の設備の修繕、電気スイッチの修理」などは消耗品的な設備なので、賃借人の負担で修繕することが一般化しています。

この場合も、(1)特約の必要性があり、(2)特約の内容が暴利的ではないという客観的&合理的な理由が存在し、(3)賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等を負うことについて認識しており、(4)賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること、が要件となっています。ですから、賃貸人サイドとして事前に十分な説明を賃借人サイドに行う必要があります。

3.今後の注目点

最近、敷金返還請求の過程で賃貸人に厳しい判断が一般化しつつあり、詳細は今後の動きを確認していく必要があります。

今後注目される点としてあげられるのが、(1)耐用年数を過ぎた(老朽化した)設備の修繕義務、(2)老朽化した設備が原因で事故が発生した場合の責任問題があります。

具体的には、老朽化した給湯器が原因で火災が発生したケースです。
現在、使用できるからといって、老朽化した設備をそのままの状態で賃貸に出した場合、賃貸人が責任追及される可能性があります。

仮に、賃借人の負担において修繕を行う特約があったとしても、賃借人に積極的な修繕義務までを課したものとは言えないので、賃借人の責任範囲は限定的で、小修理・小修繕に限られると考えられています。例えば、ドアの蝶番を直した様な場合がそうです。

小修繕の範囲を超える大規模な修繕に掛かった費用は、修繕特約があったとしても賃貸人が負担すべきものとされ、賃借人から賃貸人に対してそれらの費用が請求されることがあります。

修繕義務の免除規定を定める場合は、修繕義務が免除されるかは個々の契約によるので、後日のトラブルを防止する意味でも詳細な規定をしておく必要があります。

また、紛争になった場合には、弁護士など専門家集団による調停が必要となり、解決機関として民間調停機関の活用が考えられます。

猪股 豊氏
猪股 豊氏

日本コミュニティサポート(株)代表取締役社長。
資産承継研究所(不動産実践塾『いの塾』)塾長。

主な著書に、週刊住宅新聞社『けったいで おもろい相続の話』、住宅新報社『マンションの価値を上げる 管理の超実践読本』(共著)。夕刊フジコラム『買って良いのか!このマンション』、住宅新報社新聞『不動産FPセミナー』執筆。


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