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不動産投資の今!!

不動産投資とインスペクション・瑕疵保険

更新日:2016/02/18

「インスペクション」や「瑕疵保険」という言葉をここ数年で耳にするようになりました。

空き家問題が顕在化した理由の1つに、中古住宅の品質に関する情報提供が少ないことが上げられます。その解決策の1つに、この「インスペクション」や「瑕疵保険」が上げられています。

今回はこの「インスペクション」や「瑕疵保険」が不動産投資に与える影響について考えてみたいと思います。

■ 中古住宅に投資する際に気にすること

不動産投資の経験者に「新築物件と中古物件のどちらに投資をするか?」と確認すると、「投資効率≒利回りが高い、中古物件に分がある」と答えられる方が多いでしょう。

確かに、投資額を基準に投資の優劣を判断する場合、一般的に安い中古物件に分があります。価格の面で有利な中古物件ですが、中古物件を購入する際に注意しておいた方が良い点はなんでしょうか?

中古物件が比較的安価な理由として、品質や仕様が経年劣化した分、魅力が落ち、建物部分の評価が下がっている=減価されていることが考えられます。ですから、経年劣化の度合いによっては、欠陥品を購入してしまう可能性があることが挙げられるでしょう。

以下の資料は、国土交通省が今後の中古住宅の流通促進のために議論した「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル」の中にて参考にされた資料です。

図表1 中古住宅を購入しない理由

図表1 中古住宅を購入しない理由

出典:国土交通省住宅局「第1回中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」

不動産投資を行う際に、建物自体の性能を確認しておくことはとても重要です。

しかし、この資料によると、購入目的が投資にしろ、自分自身が居住する実需であるにしろ、中古住宅に対する性能や品質に対する不安が多いことがわかります。

万が一、欠陥品を購入してしまった場合、我が国では物件の売主が責任を持つ仕組みになっています(このことを瑕疵担保責任と言います)。

ただ、社会問題化した2005年の耐震偽装問題を見ても、売主の倒産などにより購入者が損害賠償などを受けられないケースも多々発生したため、事後対応としてしっかり制度が機能していないという指摘もありました。

このような状況下、中古住宅を購入した場合のセーフティーネットとして、事前対応である「インスペクション」や事後対策である「瑕疵保険」が注目されているのです。

■ インスペクション(建物診断・検査)とは?

建築士などの専門家(インスペクター)が物件の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行うことを言います。

インスペクションを実施することで、建物の状態に応じた価格で安心して購入することができるようになり、売却時にも引渡後のトラブル発生のリスクを軽減できることから、政府としても促進していく方向です。

事実、今年(2016年)にも、このインスペクションの有無を、宅地建物取引士による重要事項説明に組み込むだけでなく、インスペクション業者のあっせんに関する事項を媒介契約書に記載することを義務化するという「宅地建物取引業法改正」が行われる見通しです。

媒介契約に記載することで、インスペクションの結果に基づく中古住宅の現況に関する情報を宅建業者間の情報ネットワークである指定流通機構(レインズ)の報告義務に関しても組み込まれることになりますし、重要事項説明を行うことで売買契約締結時にも売主・買主それぞれに確認してもらい、その旨を契約書類に記載するという流れになります。

また、この「宅建業法改正」と連動する形で、来年度(2016年4月)から実施される新たな「住生活基本計画」が策定されています。その中で、1・2級の建築士が検査の精度を担保することを前提に、このインスペクションに国土交通大臣登録制度を導入する方向で検討に入っているようです。

これらの動きは、以下の瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険)とも関連性の高い事柄です。

■ 瑕疵保険とは?

一方、事後対策である「瑕疵保険」はどうでしょう?

元々、2000年に施行された「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」により、新築物件を供給する事業者には瑕疵(欠陥)に対する10年間の住宅瑕疵担保責任を負っていました。

ただ、前述の「耐震偽装事件」に端を発した問題で、業者自体が倒産などしてしまい、購入者である一般消費者への影響が大きいかったことから、その責任を履行してもらうために、2009年に「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)」が施行され、新築住宅の請負人(建築業者)や売主(住宅事業者)には「瑕疵担保責任を確実に履行するための資力確保措置」つまり、(国土交通省が指定した法人への)保険への加入または保証金の供託が義務付けられました。

当初は新築が対象であったこの瑕疵保険が、近年、中古物件やリフォーム分野にもその範囲を拡充させており、国も中古市場活性化政策の一環としてこの動きを後押ししている状況です。

具体的には、新築住宅を対象とした保険だけでなく、通常のリフォーム工事やマンション大規模修繕工事を行う際に利用できる保険、中古住宅の売買でも売主が宅建業者だけでなく、個人間売買も対象とした保険に付保範囲が広がっています。

例えば、中古住宅を個人間売買する場合の瑕疵保険ですが、住宅の検査を行い、売買後に欠陥(隠れた瑕疵)が発見された場合に保証する「検査機関」の保証責任について保険金を支払います。

支払い対象となる費用は、修補費用調査費用や転居・仮住まい費用等。保険金額は修補費用等から5万円を引いた金額の100%が支払われます。また、以下の通り、支払い対象と保険期間が決まっています。

図表2「支払対象と保険期間」既存住宅売買瑕疵保険(個人間売買タイプ)

保険対象部分 保険期間 保険金を支払う場合 事象例
構造耐力上主要な部分 5年間
または
1年間
基本耐力性能を満たさない場合 建築基準法レベルの構造耐力性能を満たさない場合
雨水の浸入を防止する部分 防水性能を満たさない場合 雨漏りが発生した場合
給排水管路 通常有すべき性能または機能を満たさない場合 (設置工事の瑕疵による)
水漏れ、逆勾配
給排水設備・電気設備 機能が失われること (設置工事の瑕疵による)
設備の機能停止

(※)給排水管路、給排水設備・電気設備については、保険法人によっては保険対象としていないところもあります。

■ 今後、不動産投資に与える影響

不動産を取得したり手放したりする際に、適正な情報を得ることはとても重要です。似た条件の物件が複数ある際には、インスペクションや瑕疵保険の有無を、選定材料の一つとすると良いでしょう。

また、賃貸経営をしていく際に、優良なテナントとお付き合いするための差別化ポイントとして、提供することも大切になります。

今後、他の物件との差別化戦略を取るためにも、インスペクションや瑕疵保険をうまく活用していきましょう。

佐藤益弘
マイアドバイザー.jp登録
佐藤益弘

(株)優益FPオフィス代表取締役
マイアドバイザー(R)登録
CFP(R)資格認定者(J-90032758)

某メーカーの不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、FP資格を取得。2000年8月より独立系FPとして独立。3つの独立系FP会社設立に参画。
現在、顧客サイドに立ったシンの独立系FPのネットワーク確立のため、(株)優益FPオフィス代表として活動中。


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