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不動産投資の今!!

不動産投資と心の動きとの関係

更新日:2015/06/18

「盆過ぎての鯖商い」あるいは「時は得難くして失い易し」ということわざがあります。これらは、『絶好のチャンスが訪れたら、それを逃さず行動すべきである』といった教訓ですが、こうしたことは不動産投資にも相通じるものがあるのです。

今回は、ある方のエピソードを通して、不動産投資におけるこの『絶好のチャンス』をいかに気付くか、また、そうした判断へと導く『心の動き』についてお話ししたいと思います。

■そもそもどうして投資をするのか?

不動産投資で大切なのは、「投資は手段であり、目的ではない」ということです。

皆さんが不動産投資を始めたのには、何かしら理由があるはずです。

例えば、「相続税を少しでも軽減させる」という目的のために、「不動産」という手段を用いて課税評価額の減税を図るといったようなことです。ただ、当初の目的から逸脱して活用方法が変更されたりすると、そのメリットはデメリットになってしまうかもしれません。

■目的を明確にしておくことが、いかに大切か

私がご相談を受けたある事例をもとに、投資の目的を明確に持つことがいかに大切であるのかをお伝えしたいと思います。

その相談とは「老後資金が不足しそうなので、保有している投資物件を売却したい」というものでした。その方は、今から35年ほど前(1980年)にある投資用賃貸物件を5,000万円で購入され、「そこから得られる収益を老後の資金として活用するのが目的でした」とのこと。その後、バブル期(1990年初頭)に「1億2,000万円で売却して欲しい」という人が現れ、直前まで話しが進んだそうですが、「欲が出てしまい、最終的にその時は決断できなかった」とおっしゃいます。その後も保有を続け、多少の値上がりはあったようですが、1990年後半から株価の下落が始まり、以降、地価も下落に転じてバブルの崩壊へとつながっていくわけです。

ご本人は売却の話を逃したときのことを「とても後悔している」そうですが、現在、資金事情が厳しさを増し、さらに不動産賃貸経営をしていくのが億劫になったこともあり、「いくらでもよいので売却したい」という心境になったそうです。

まず、私はこの方のライフプランを作成してシミュレーションを行い、収支ギャップを試算し、これからの生涯生活費の不足額は5,000万円程度と判定しました。

同時に、不動産の売却価格を複数の宅建業者さんに市場調査をしてもらったところ、「うまくいっても、4,000万円前後でしか売却できないだろう」ということでした。この結果をご本人にお伝えしたところ、その落胆ぶりはとても大きなものでした。生涯生活費の不足額と現在の物件の売却可能価格とを照らして不足額が出てしまうこと、そして、以前に売れたはずの価格を思い起こし、「あのとき売却していれば、老後の生活資金は十分余裕があったのに……」という後悔の念からのことでしょう。

ただ、ご本人はすぐに気を取り直し、「先生、結局1,000万円の損なんだし、今まで35年間それなりに収入や節税もできたので、悪い投資ではなかったですよね?」という同意を求められました。

さて、ここからが本題です。

仮に4,000万円で売却した場合、この方の損失は本当に1,000万円なのでしょうか。 皆さんのお考えはどうですか?

【 相談事例:投資物件の価値変動イメージ 】

相談事例:投資物件の価値変動イメージ

■相談事例に対するファイナンシャルプランナーとしての見解

「儲け(収支)」は、「売却価格(収入)−購入価格(経費)」で計算できますから、皆さんはおそらく以下の二つの回答を思い付かれたのではないでしょうか。

1. 相談者の言うとおり「1,000万円」のマイナス
⇒購入価格5,000万円から売却価格4,000万円を引いた金額
2. いや、もっと大きな「8,000万円」の損失
⇒以前、売却できたはずの1億2,000万円から売却価格4,000万円を引いた金額

正解は、「2」の8,000万円の損失です。

なぜなら、このケースでは、そもそもの目的である「老後資金の保障」を実現可能な状況(利益を確定できるチャンス)が巡ってきており、また金額も要望を満たせていたわけですから損失としてはもっと大きいのです。

そして相談者が私に同意を求めた「1」の考え方ですが、これは行動経済学では「メンタルアカウンティング(心の会計)」と言われている概念で、「人は必ずしも合理的なお金の使い方ができるものではない」という一例です。言い換えると、できるだけ自分の失敗は過小評価し、自分の成功は過大評価したいということです。このこと自体が決して悪いわけではなく、人は普段そのような判断をしています。

しかし投資の世界では、このような心の会計が、時に冷静な判断を鈍らせ、結果として、投資を失敗に終わらせてしまうこともあり得るということなのです。

■投資を失敗に終わらせないために

確かに、この相談者の言うとおり、購入してからの35年間で賃料収益もあったはずですし、その儲け分で購入価格から売却価格を引いたマイナス分の調整が付いていれば良いと考えることもできます。ただ、多くの個人投資家を見ていると、不動産投資の収益は維持管理などの必要経費に回されず、余暇などの費用にほとんど使ってしまい儲け分はほとんど残っていないというケースが多いのです。

このように収益をきちんと管理せずに来てしまった場合、物件の資産価値は経年とともに下がり、「老後の生活保障のために」という目的を果せません。また、後の売却代金を当てにしても、その時点での資産価値ならびに相場の影響を受け「失敗」となる可能性が高くなります。

こうした状況を回避するためには、次の三つのことを守ることが肝心です。
(1)投資前に、しっかり「投資目的」を定める
(2)定期的に「現状把握」と「投資目的の確認」をする
(3)例えば、「これくらいの金額でなら売ろう」というような具体的な行動指針を考えておく

普段、冷静に判断できている方でも、いざ、精神的、肉体的、さらに経済的にも追い込まれた状況にあれば、的確な判断が容易でないことは理解できます。また、頭では分かっていても、無意識にそう行動できないという方もいらっしゃるでしょう。しかし投資の世界はシビアです。いかに感情に左右されずに行動できるかが、正しい判断や決断をする際のポイントになることがあります。

このことを肝に銘じて、目的達成に向けた投資運用を進めていきましょう。

佐藤益弘
マイアドバイザー.jp登録
佐藤益弘

(株)優益FPオフィス代表取締役
マイアドバイザー(R)登録
CFP(R)資格認定者(J-90032758)

某メーカーの不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、FP資格を取得。2000年8月より独立系FPとして独立。3つの独立系FP会社設立に参画。
現在、顧客サイドに立ったシンの独立系FPのネットワーク確立のため、(株)優益FPオフィス代表として活動中。


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