不動産投資・収益物件・投資用不動産ならアットホーム 投資


投資at home 投資コラム 不動産投資の今!! 不動産投資の相続 (その2)

不動産投資の今!!

不動産投資の相続 (その2)

更新日:2015/05/14

前回「(その1)」では、相続対象不動産の評価額を把握する方法までをお話しました。今回はその続きとして、投資物件を円滑に相続するためにはどうすればよいかを考えていきます。

■投資物件として相続すべきかを考える

まず、投資物件の相続を考える際に、あらためてきちんと確認しておくべき事柄があります。それは以下の四つです。

1. 経済価値のある物件か、会計上の収益が出ているか
2. 不動産という資産自体に魅力があるか(資産としての「希少性」など)
3. 被相続人・相続人双方の物件に対する「思い入れ」があるか
4. 相続人が不動産投資に関する「知識や能力」を持っているか

これらは、「投資物件としてそのまま相続するべきか」という根本の判断にもかかわる重要な事柄です。価値が低く収益が見込めない、あるいはそれ自体に魅力がない物件を相続しても承継される側は困ってしまいます。いわば「負の財産」を次世代に継がせないために、あらためて冷静に考えてみましょう。

「1.経済価値・会計上の収益」「2.不動産自体の魅力」に関しては、専門家による鑑定意見を求めるなどすれば、比較的容易に判別できるでしょう。例えば、「現在はある程度収益を出せていても、将来的な収支予測としてはあまり期待できない」と判断されるのならば、売却などの方法により、他の資産に形を変えて相続することも一案です。

「3.物件に対する思い入れ」は、文字通りその物件を必要としているか、大切に思っているかということと、「収益物件として事業継続していく強い意志があるか」という見方もあります。「4.投資に関する知識や能力」とも深くかかわってきますが、相続したところで不動産投資事業としてうまく続けられないのであれば、たとえ「1」「2」を満たしていても、せっかくの投資対象が、収益力を発揮できずにその価値を落としていくことになりかねません。

■投資物件として相続する場合

前記の四項目で、ある程度高評価あるいは見込みが立ち、投資物件の状態で相続するという判断がなされた場合について考えます。そのままでも事業継続は円滑に進むかもしれませんが、より価値・収益の向上を求めることも必要です。「適正なリフォーム」「付加価値の追加」などを行うことで、周辺の同様の物件との差別化を図ることができます。また、賃貸経営のノウハウなど、先代(被相続人)が培ってきた事業を行う上での経験や知識を次世代(相続人)にしっかりと伝えることで、投資の知識・能力のベースが備わるとともに、新たな発想の礎にもなると考えます。これには多少時間がかかるかもしれませんが、「相続のための準備」として確実に行いたいものです。

計画的かつ効率的にうまく引き継ぎたいと考えるのであれば、事業承継プランを作成することをおすすめします。例えば、先代が70歳前後くらいから、徐々にノウハウなども含めて次世代に事業承継を始め、75歳までには完了するといったプランを立てると、余裕をもって進められるのではないでしょうか。

■遺産分割の方法

相続は、遺言による場合とそうではない場合に分かれます。被相続人が遺言を残している場合は、その記述内容に従って相続が行われます。遺言によれば誰でも相続人になり得ます(※)。ただ、遺言で「特定の人に全財産を相続する」と記されていた場合、配偶者はじめ親族の誰も遺産を手にできないということになります。そうならないために、法令で定められた法定相続人には、財産の取り分が最低限保証されています。これを「遺留分」といいます。被相続人が遺言を残していない場合は、法定相続人が定めに従ってそれぞれの取り分を分配します。この取り分を「法定相続分」といいます(遺言がない場合でも、相続人同士の話し合いで自由に分配することもできます)。

被相続人が遺言を残さずに亡くなると、その遺産は相続人全員が共有する状態になります。共有状態となった遺産を各相続人の取り分に応じて分配していくことを「遺産分割」といいます。

遺産分割には以下の方法があります。

(1) 現物分割
財産をそのままの形で分割する方法。
自宅土地・建物は妻に、投資物件αは長男に、預貯金・有価証券は長女に、投資物件βは弟になど。
(2) 換価分割
財産を売却し、金銭に変えてから相続分に応じて分配する方法。
公平な遺産分割が可能。
(3) 代償分割
相続人の一人だけがすべての遺産、あるいは高額財産を相続する代わりに、他の相続人に対してその相続分に応じた金銭、または相当価額の他の自己所有財産をもって支払う方法。
(4) 共有
これは「遺産分割」ではなく、文字通り相続人全員で「共有」すること。
相続人相互の関係が良好で法定相続分通りに遺産分割を行うのが最善だと全員が考えている場合で、利用方針が決まっていない土地などを相続するとき、あるいは相続人間の協議で遺産分割の方法がまとまらない場合に、一旦共有とするときにとる方法。ただ後々相続分の分割を求める者が出てくるなど、各相続人の思惑の違いが生じるとトラブルに発展する可能性が高い。

投資物件の相続に際しては、財産価値が高額であることが多く、処分も難しい場合が多いので、「(3)代償分割」がよく使われます。

例えば、特定の相続人Aが財産評価の高い投資物件を相続し、Aが他の相続人の相続分を金銭や代物によって支払うということです。そうすることで、事業承継者であるA以外の相続人の不利益を解消します。

ただその場合、問題になるのはその原資です。相続人A(支払い者)の持ち得る資力ということです。これがなければ代償分割という方法は成立しません。

そこで活用されるのが「生命保険」です。代表的な方法として二通りあります。

被相続人が特定の相続人(この場合A)を受取人として自分の死亡時に支払われる生命保険に入るケース
被相続人から特定の相続人(A)に贈与税の非課税枠内の現金贈与を毎年行い、その金銭で被相続人が死亡した際に支払われる生命保険に、特定の相続人(A)が加入するケース(但し、税制上の注意が必要)

上記の方法により、特定の相続人(A)は、保険金を原資として他の相続人に金銭を支払うことができます。これは、投資物件を相続する時の代償分割でよく見られるやり方です。

生命保険を活用する理由として、相続税法上で税額の減額などの特例があることも挙げられます。

■公平性と相続人の権利を考えて円滑な相続を

そもそも相続には「公平性」や「相続人の権利」に配慮する必要があり、上記の遺産分割方法は、それぞれできるだけ公平さを保ち、相続人の権利を守るために使い分けることができます。

そして被相続人が自分の意思をしっかり残しておくためには、遺言の形式をとることが必要でしょう。「誰に何を」ということを、各相続人の立場と公平性をきちんと考えて決めることが大切です。また、適正な時期に生前贈与などを行うことも一つの方法です。何が最適なのかを残す側・残される側の人の気持ち、法令の定め、将来の予測などさまざまな視点から熟慮して、後顧の憂いを絶つための円満・円滑な相続を心がけたいものです。

※ 遺言が効力を有するにはさまざまな要件が必要になります。別途ご確認ください。

佐藤益弘
マイアドバイザー.jp登録
佐藤益弘

(株)優益FPオフィス代表取締役
マイアドバイザー(R)登録
CFP(R)資格認定者(J-90032758)

某メーカーの不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、FP資格を取得。2000年8月より独立系FPとして独立。3つの独立系FP会社設立に参画。
現在、顧客サイドに立ったシンの独立系FPのネットワーク確立のため、(株)優益FPオフィス代表として活動中。


その他の投資コラム


はじめての不動産投資
みつける!私の投資スタイル

これから不動産投資を始める方を対象に、基本から実践までを解説


押さえておきたい
不動産投資のツボ!

不動産投資をする際の不安、疑問をシミュレーションを通じて解消します!


不動産投資Q&A

不動産投資でのありがちな問題とその対処法、つまずきやすいポイントをQ&A形式で解説します。


不動産投資AorB

不動産投資ではターニングポイントがつき物。よりよい選択をできるようバックアップします。


不動産投資の今!!

経済状況が変わると不動産投資にどのような影響が現れるか。専門家の見方をご紹介。





このページのトップへ

賃貸や不動産はアットホーム-賃貸マンションや賃貸物件など不動産のことならアットホーム