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不動産投資の今!!

不動産投資の相続 (その1)

更新日:2015/04/09

現在、不動産投資をされている皆さんの財産ですが、将来を考えればいずれ「相続」という時期が訪れます。その際に、一体どのくらいの相続税になるのか、不動産をどのように継承したら相続人が困らないか、といったようなことを事前に把握して対策を立てておくことは、残された人たちへの思いやりとして大切なことではないでしょうか。大きく変わった今年の相続税改正を機に、あらためて相続について考えてみてはいかがでしょう。

■相続税制の改正内容

2015年1月1日に改正された相続税制については、以前にこのコーナーで掲載しました「平成25年度税制改正を考える(2) 相続税の改正」の項で詳しく解説してありますので、ここでは改正のポイントについて簡単に振り返ってみたいと思います。主な改正のポイントは、次の4点です。

1. 相続財産にかかる基礎控除額の縮小
相続財産が基礎控除額を超える場合、相続税が課税されることになります。
この基礎控除額が今回の改正で、これまでの60%に大幅縮小されました。

[改正前]
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

[改正後]
3,000万円+600万円×法定相続人の数

2. 相続税の一部税率の引き上げ
「1億円超」以上の相続額については、法定相続人の取得金額の幅が細分化され、それに連れて税率が引き上げられました(赤字部分)。
各法定相続人の取得金額 改正前の税率 改正後の税率
〜1,000万円以下 10% 10%
1,000万円超〜3,000万円以下 15% 15%
3,000万円超〜5,000万円以下 20% 20%
5,000万円超〜1億円以下 30% 30%
1億円超〜2億円以下 (従来は3億円以下)
40%
40%
2億円超〜3億円以下 45%
3億円超〜6億円以下 (従来は3億円超)
50%
50%
6億円超〜 55%
3. 未成年者・障害者控除額の引き上げ
未成年者および一定の要件に当てはまる障害者については、相続税額から一定の控除を受けられますが、今回の改定では、その控除額が引き上げられました。

■未成年者控除

[改正前]
20歳までの1年につき6万円

[改正後]
20歳までの1年につき10万円

■障害者控除

[改正前]
85歳までの1年につき6万円
(※特別障害者の場合12万円)

[改正後]
85歳までの1年につき10万円
(※特別障害者の場合20万円

4. 小規模宅地等の特例
被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業用または居住用に使われていた宅地などがある場合に、一定の要件を満たせば相続税の計算上、評価額が減額されます。これを小規模宅地等の特例といいます。今回の改正では、居住用の宅地等(特定居住用宅地等)でその限度面積が拡大されています。

[改正前]
適用対象面積 上限240㎡

[改正後]
適用対象面積 上限330㎡

■相続対象物件の全体像を把握する

今回の改正によって、相続税の課税対象になる財産の中でも、相続する不動産の受ける影響は大きなものがあります。それは主に、上に記しました改正ポイントの「1.基礎控除額の縮小」によって、課税対象となる課税遺産額が大きくなることです。また「2. 相続税の一部税率の引き上げ」によって、法定相続人ごとの相続税を算出する際に影響を及ぼし、課税遺産額によっては相続税額が増えるケースがあります。

では実際に、相続対象物件(不動産資産)の相続税課税における評価がおおよそいくらになるのか、その算出の手順を考えていきましょう。

はじめに、不動産を相続する場合、「固定資産台帳」や「路線価」などから算出した土地や建物の評価額に対して課税されますから、これを調べることが第一歩になります。まずは、自用地(自宅の敷地のように地主が自由に使える土地)における土地・建物の評価から。土地の評価額については、正しくは国税庁の「財産評価基本通達」に定められた計算方法で求めます。しかし、複雑で専門知識も要するため、ここでは簡易的な算出方法で考えたいと思います。それは、毎年春に地方自治体から送付されてくる「固定資産税納税通知書」を利用する方法です。通知書内に記された土地の項の「価格(あるいは評価額)」の数値が固定資産評価額になりますが、その金額の10%増しを、おおよその土地の相続税評価額としてお考えください。一方の建物の評価額に関しては、同じく通知書内の家屋の項の「価格(あるいは評価額)」が固定資産評価額となり、これと同額が建物の評価額になります。

次に、投資不動産として第三者に賃貸している土地・建物についてです。土地については、アパートや貸しビルが立っていて人に貸していることで「貸家建付地」に該当し、自用地の評価額からさらに減額されます。その率は、地域により幅があり自用地の70%〜10%の割合で減額されるようですが、多くの地域では40%〜20%のようです。ご自身の投資物件の土地評価額を知る手立てとしては、下記国税庁のホームページの路線価図から当該地の自用地路線価を確認し、その数値から20%減をおおよその評価額としてお考えいただいてよいと思います。

一方、建物に対しての相続税の評価額ですが、「借家権割合」の30%を差し引いた固定資産評価額の70%が評価額になります。

なお、賃貸している土地・建物に関しては、自宅や事業を相続人が引き継ぐ等の要件を満たせば、上記の改正ポイント「4. 小規模宅地等の特例」の適用によって土地の評価額をさらに下げることができます(小規模宅地等の特例における要件および評価減の割合については下記国税庁のホームページを参照ください)。

【 参考ホームページ 】

前述のような流れで、相続対象物件すべての課税価格を合計して不動産に関する評価額の全体像の概算がつかめます。本来は、この不動産以外にも金銭で見積もれる財産(有価証券やゴルフ会員権、宝石…など)を全て加えて「本来の相続財産」を出し、さらに「みなし相続財産」などもプラスして課税対象の相続財産を割り出し、そこから基礎控除額(ポイント1)を引いて「課税遺産額」を求めます。その後の相続税計算の流れとしては、上記の改正ポイントの「2」「3」も照らし合わせながら、法定相続分に応じた取得金額の算出 → 相続税の総額の算出 → 各人の相続税額の算出と続きます。

不動産は、分けることの難しい財産です。引き継ぐ人が困らないような、投資物件承継の具体的な対策については次回お話ししていきたいと思います。

キムラ ミキ
マイアドバイザー.jp登録
キムラ ミキ

ラフデッサン代表
ファイナンシャルプランナー 宅地建物取引主任者 社会福祉士

鳥取県米子市在住。外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。現在はFP事務所ラフデッサン代表として、笑い(ラフ)のある生活設計のご提案をモットーにコラム執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!


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