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投資at home 投資コラム 不動産投資の今!! 空き家増加の何が問題? (その2)

不動産投資の今!!

空き家増加の何が問題? (その2)

更新日:2015/03/12

■経年した物件でも満室御礼?

前回のコラムで、駅からのアクセスが10分以上かかり、周辺には空き家も多く、築年数は10年を超えている物件なのに、退去者があっても、いわゆる入居シーズンでなくとも一週間以内には新しい入居者が決まるという物件があることに触れました。今回は、このような物件にするにはどうしたらいいのか、そのことについて考えてみたいと思います。

まずこの物件は、借主が内見時に受けた部屋の印象は、それまでの入居者の生活感がまだ残っているようで、壁紙は色あせ、給湯設備なども古さを感じたものの近隣物件の相場よりもやや低い家賃設定であったため、入居を決めたそうです。

そして迎えた引っ越しの日。部屋の壁紙はすっかり張り替えられ、給湯器も新品で、部屋の印象がまるで違っていて、明るく住みやすそうな空間に変わっていたとのこと。こうした変わりようを想像していなかっただけに、「家賃以上の価値を感じて、長く住みたい」と思うほどの驚きだったと言います。

ここのオーナーは、物件のすぐ隣に住んでいて、入居者には日常的にあいさつを交わし、また、物件周辺の清掃も自らしており、親しみやすい人柄から、何か困ったことがあれば、相談できそうな安心感があったようです。

こうしたことを聞いていると、入居時の設備の入れ替えも、もともと借主は不動産会社からは何も聞いていなかっただけに、オーナーの配慮だったのでは? とも思えてきます。また、たとえ退去者が出ても、一週間もたたないうちに新たな入居者が引っ越してきていたというのも、そういうことが影響してのことではないでしょうか。

■新築はいつまでも新築ではない

この事例から私が感じたことは、入居者の立場に立って顧客満足度を高める視点を持つことの重要性と、自らの資産であることを意識して不動産投資を行うことの大切さです。もちろん多額の投資金額となる不動産投資ですから、「自分の資産であることを意識するのは当然のことではないか!」と言われる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、一般財団法人住宅改良開発公社による「平成25年度『賃貸住宅市場の現況と中長期見通し』に関する調査研究」を見ますと、<一年間に掛かった維持管理費用の総額は、総家賃収入のおおよそ何%か>という質問に、「分からない」と答えた人の割合が28.6%と最も高く、次は「3%超、6%以下」が16.0%で、物件管理に対する意識があまり高くないように思われます。続く<長期修繕計画の作成状況について>の問いには、「まったく作成していない」という答えが36.0%でトップ、「わからない」との答えが21.7%で次に高く、所有している「全住宅で作成している」との答えは16.6%で三番目です。このように修繕計画を立てていないケースが多いため、将来の<大規模修繕工事に必要な資金の確保方法>への問いに対して、「計画的に積み立てている」は30.2%にとどまり、「工事の際に手持ちの資金で対応する」という回答が53.4%で最も多くなっています。

上記の調査結果を見ますと、そもそもの不動産投資の原点である「入居者が存在して賃料を払ってくれるからこそ成り立つ」ということを、あまりに当たり前すぎて、忘れている投資家が多いのではないだろうかと考えてしまいます。投資物件のことを単にお金を生む道具として捉えるのではなく、「入居者により長く住み続けてもらうためにどんな部屋(物件)やサービスを提供したら喜んでもらえるだろうか?」と、管理会社任せではなく自ら考え・行動することが、「自らの資産であることを意識する」ということなのです。

物件は、いつまでも新築のままであり続けることはできません。経年による劣化に伴い、外観や内装の修繕をどれくらいの頻度で行うのか、家賃設定をどうするのか、付加価値をつけるのか等々、入居者の満足度を維持しながら、適切な経営判断および計画が求められます。そのためには、物件そのものや入居者の様子をオーナーがよく知っていることが必要です。冒頭で例に挙げたオーナーは、それを実践しているからこそ、退去や空室期間がごく少ない良好な経営状況を作り出しているのではないでしょうか。

■空き家増加はチャンスでもある。

平成27(2015)年度税制改正大綱によると、空き家対策特別措置法に規定されている「特定空き家等(管理不十分で建物崩壊など周辺の生活環境の安全上問題のあるものなど)」に指定された場合は、固定資産税の軽減措置(住宅が建っていれば本来の6分の1に軽減される)の適用から外すことが盛り込まれています。そのため、今までは放置されていた空き家物件が売りに出されるケースも多くなるでしょう。

しかしこうした状況になっても、上述しましたように、自らの資産であることを意識してその対策を実践するオーナーにとって、社会的問題となっている空き家増加は、ある意味「チャンスである」とも言えます。なぜなら、物件を最適な状態に保ち、入居者の満足度に配慮しながら長期的な計画を持ち、入居者とのコミュニケーションを良好に保つことは、物件の個性化、言い換えれば「魅力」につながり、近隣物件との差別化における大きなポイントになるからです。また、そのノウハウの蓄積は、物件築年数に関わらず、空室リスクを回避することにもつながります。オーナーの物件に対する愛情と、入居者への心遣いは、どのような状況になっても大きな戦力であるといえるのではないでしょうか。

キムラ ミキ
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キムラ ミキ

ラフデッサン代表
ファイナンシャルプランナー 宅地建物取引主任者 社会福祉士

鳥取県米子市在住。外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、不動産仲介業の営業を経験。現在はFP事務所ラフデッサン代表として、笑い(ラフ)のある生活設計のご提案をモットーにコラム執筆業務のほか、 セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!


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