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不動産投資の今!!

平成25年度税制改正を考える(2) 相続税の改正

更新日:2013/04/04

前回は、本改正の最大の目玉である「相続税の基礎控除の改正」について見てみました。
今回は、残りの相続税の改正部分のうち、以下の2点について見ていきたいと思います。

  1. 相続税・贈与税の最高税率の引き上げ
  2. 小規模宅地の評価減(相続税)

2.相続税・贈与税の最高税率の引き上げ

相続税の最高税率を55%に引き上げる等、税率構造の見直しを行う

前回の基礎控除の変更と同じく、「バブル期の地価上昇に対応した基礎控除や税率水準を地価が大幅に下落する中でも据え置いたために課税割合が低下したから」という理由で、2015年(平成27年)1月1日以後に開始する相続から以下の通りの税率構造と最高税率が引き上げられます。

現行 改正後
課税標準(各人) 税率 控除額 課税標準(各人) 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円 1,000万円以下 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円 3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円 5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円 1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円 2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
3億円超 50% 4,700万円 6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

この表を見比べると、2億円超の課税標準から差が生じてきます。具体的には、2億円超3億円以下が40%→45%にアップし、そして新たに6億円超が設けられ税率は55%となります。

■試算してみましょう!

仮に「課税標準」が8億円の場合…

今までの納税額
3億5,300万円(=8億円×50%−4,700万円)

これからの納税額
3億6,800万円(=8億円×55%−7,200万円)
 1,500万円の増税 となります。

実際は、前回の「平成25年度税制改正を考える(1)」でご紹介した通り、基礎控除も改正により引き下げられ減少となるので、もっと大きな増税となります。今後は今まで以上に綿密な相続対策が必要です。

なお、相続税の税率構造の見直しに伴い、贈与税(暦年単位)の税率構造の見直しも行われます。これは、元々、贈与税は相続税の課税逃れを防止するためにできたという経緯があるため、相続税と贈与税は兄弟関係にあり、税率など諸規定が連動しているからです。

3.小規模宅地の評価減(相続税)

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、居住用宅地の適用対象面積の上限を330㎡(現行240㎡)に拡大するとともに、居住用宅地と事業用宅地(貸付事業除く)の完全併用を可能とする等の拡充

2010年(平成22年)の税制改正により、適用対象が大幅に整理され、対象になっている宅地を取得した相続人ごとに判定するなど、「小規模宅地等の特例」の適用範囲は先行して縮小されました。ただ、今回の改正では、2015年(平成27年)1月1日以後に開始する相続から居住用宅地(つまり、自宅の建っている土地)の特例対象宅地の面積が拡大される改定がされます。

現行:240㎡(約80坪)を上限 → 改正案:330㎡(約100坪)を上限

80%という評価減割合についての変更はありません。

この特例は、小規模宅地等の種類ごとに減額割合と上限面積が決められていて、複数の種類の小規模宅地等がある場合は、最も有利な選択をすることができます。例えば、特定居住用宅地等[80%割引で上限が240㎡(変更後330㎡)]だけで適用面積を使い切れない場合、その未利用分を、賃貸家屋の建っている土地=貸付け事業用宅地等(50%割引で上限が200㎡)に再活用できるのです。ですから、今回の改正で適用面積(上限)がアップすることで、連動して他の宅地の評価減の対象面積も増えることになります。

■試算してみましょう!

例えば…亡くなった方(被相続人)が以下のような土地を保有していたとします。

・居住用宅地の評価額(80%評価減)
=1億円(地積:100㎡)

・賃貸家屋が建っている土地(賃貸宅地)の評価額(50%評価減:200㎡換算相当まで)
=2億円(地積:300㎡)

今までの評価減額

・居住用宅地の評価額減 =1億円×80%=8,000万円(1)

→居住用140㎡換算相当(=上限240㎡−利用分100㎡)については未利用のため、賃貸敷地からの評価減に活用できる

・賃貸敷地評価減 =2億円×50%×約117㎡/300㎡≒3,900万円(2)

→上限200㎡×(140㎡/240㎡)≒117㎡

合計評価減 =約1億1,900万円〈(1)8,000万円+(2)3,900万円〉 となります。

これからの評価減額

・居住用宅地の評価額減 =1億円×80%=8,000万円(1)

→居住用230㎡換算相当(=上限330㎡−利用分100㎡)については未利用のため、賃貸敷地からの評価減に活用できる

・賃貸敷地評価減 =2億円×50%×約140㎡/300㎡≒4,667万円(3)

→上限200㎡×(230㎡/330㎡)≒140㎡

合計評価減 =約1億2,667万円〈(1)8,000万円+(3)4,667万円〉 となります。

評価減の差は約767万円となり、改訂により減税効果がアップします。

アパートやマンション経営などを行っている大家さんに関しては価値のある改訂だと思われます。うまく活用しましょう。

■相続対策を考える上で知っておきたい視点

今回の改正では、相続税の改正と同時に、贈与税の改正((1)相続税税率の改正に伴う最高税率等の調整 と (2)教育資金の一括贈与の非課税(本コラムでは触れていません)も同時に行われることになります。これは、行政レベルから「今後の資産継承や事業継承は、生きているうちにしっかりと対応しましょう!」という自助努力を促すメッセージなのかもしれません。お財布のひもが固い親世代(高齢者)から消費意欲の高い現役世代である子供や孫に資産を移すことにより購買行動を促したいという景気対策の一環でもありますから、この流れは当面、変わらないでしょう。

そもそも相続対策は、【1】争族家防止対策、【2】納税資金対策、【3】節税対策です。そういう意味からも、被相続人と相続人の各ご家庭のライフプラン、あるいはライフイベント表と言われる時間割を作成し、生前贈与を含めた【1】争族防止対策を中心に行ってほしいものです。納税が必要になりそうな方に関しては、事前に試算などを行い適切な対応を検討することが大切です。

次回は、「所得税の最高税率の変更」などについてお伝えします。

佐藤益弘
マイアドバイザー.jp登録
佐藤益弘

(株)優益FPオフィス代表取締役
マイアドバイザー(R)登録
CFP(R)資格認定者(J-90032758)

某メーカーの不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、FP資格を取得。2000年8月より独立系FPとして独立。3つの独立系FP会社設立に参画。
現在、顧客サイドに立ったシンの独立系FPのネットワーク確立のため、(株)優益FPオフィス代表として活動中。


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