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不動産投資の今!!

平成25年度税制改正を考える(1) 相続税の基礎控除の改正

更新日:2013/03/28

2013年1月29日に閣議決定された「平成25年度税制改正大綱」は、久方ぶりの自民党政権下での改正ということもあり、ダイナミックな動きを感じるのは私だけでしょうか?

特に、今回の改正で不動産投資に関係すると思われるポイントは、以下の相続税・所得税の改正部分に絞ることができます。

  1. 相続税の基礎控除額の改正
  2. 相続税・贈与税の最高税率の引き上げ
  3. 小規模宅地の評価減(相続税)
  4. 所得税の最高税率の変更

これから3回に分けて、一つずつポイントを整理していくことにします。

今回は最大の目玉である「相続税の基礎控除の改正」について見ていきましょう。

1.相続税の基礎控除額の改正

相続税の基礎控除について、現行の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」を
「3,000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げる

相続税の基礎控除の改正は、自民党・麻生内閣当時(2009年:前々回の選挙時)には既に懸案に上がっていた内容でした。しかし、民主党への政権交代により棚上げ状態になっており、毎年、この時期に話に上がってはいましたが、決まりそうで決まらない状況が続いていました。

それが政権交代により早くも復活したということです。

■どうして、この時期に…

そもそも、基礎控除額を段階的に上げたのは、地価が高騰したバブル期に相続税の負担軽減のために…という目的で対応したものでした。ただ、その後15年以上その状況を据え置いた結果、ピーク時に約3兆円あった相続税の税収は1兆円強にまで減少してしまいました。

実は、税制改正大綱が出る前、政府税制調査会では、「所得再分配の効果が減少したという観点から相続税の適用範囲を広げ、相続税を納税する人を現在より75%増やす、つまり、納税者数を現在の4万人台から7万人台に増やし、2,600億円の増収を期待する」という答申をしていました。

財務省「平成22年分の相続税の申告の状況について」によると、相続税の課税件数は49,733件で、課税割合は4.2%、納税者数は122,740人というデータです。

また、平成22年4月以後は「小規模宅地等の特例」の適用範囲も先行して縮小されましたから、今までこの特例の適用を受けられたはずの人が受けられず、申告や納税が必要になった人が増えたはずで、既にわずかではありますが、課税割合が増加傾向にあります(前年平成21年の課税割合は4.1%)。

ですから、一昨年の「小規模宅地等の特例」と今回の「基礎控除」の縮小で、相続税を納税者の裾野を広げて、原点回帰し、国としては増収につなげたいと思ったのは、道理かもしれません。

■試算してみましょう!

では、相続人が3名(配偶者である奥さま(同居)とお子さま2名(非同居))、総資産が7,000万円(金融資産1,000万円、生命保険2,000万円、不動産4,000万円)のご家族が法定相続分で遺産分割した場合、相続税はどのように変わるでしょうか?
見ていきましょう。

財産

・金融資産1,000万円+生命保険500万円〈=2,000万円−非課税枠1,500万円(=500万円×3人)〉+不動産4,000万円=5,500万円

今までの基礎控除
=8,000万円(=5,000万円+1,000万円×3名)
 →基礎控除内(5,500万円<8,000万円)なので、非課税のため申告義務無し

これからの基礎控除
=4,800万円(=3,000万円+600万円×3名)
 →基礎控除を超える〈+700万円(5,500万円<4,800万円)〉ので、課税対象となり、申告義務あり

今まで「自宅+不動産の投資物件(数棟)」を持たれていた人でも納税しなくていいケースがありました。ただ、今後、基礎控除が下がると納税者数が大幅に増えると思われます。

■本当の論点!

基礎控除が下がるという改正は、ただ単に相続税を収めなければいけなくなる人が増えるということだけがポイントになるのではありません。

実は、最大のポイントは、「確定申告をする必要が生じ、相続問題の火種が生まれる」ということです。

例えば、相続が発生した際に、まだ配偶者が存命の場合一次相続(※)は、遺産分割による争いが起きることはそう多くはありません。また、相続税の配偶者控除は残るため、その段階で相続税を納税することも少なく、穏やかに過ごすことができるでしょう。

言い換えるならば、自分たち家族〜親御さんがどれくらいの財産を持っているのか、知ることはあまりできませんでしたし、知っていても、いくらくらいの財産があるのかわからない以上、相続の争いにもその段階ではならないからです。

しかし今後は、基礎控除が大きかったため、そもそも申告する必要性の少なかった二次相続(※)段階で、相続問題になることが考えられます。

ご両親が亡くなり、兄弟・姉妹がその財産を相続する際=相続の火種がこの段階で発生する可能性が高いわけです。

特に地価の高い三大都市圏では、基礎控除が下がることにより確定申告しなければいけない人が増えることは容易に予想できるでしょう。

(※一般的に、夫が先に亡くなったときを「一次相続」、その後、妻が亡くなったときを「二次相続」と言います。)

ある意味、このことで、相続のことも税金のことももっと身近に感じられるようになり、個々人がよりコスト意識を持てる良いチャンスになるかもしれないですね。

次回は、2. 相続税・贈与税の最高税率の引き上げ 以降をお伝えします。

佐藤益弘
マイアドバイザー.jp登録
佐藤益弘

(株)優益FPオフィス代表取締役
マイアドバイザー(R)登録
CFP(R)資格認定者(J-90032758)

某メーカーの不動産部門にてマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務める中、FP資格を取得。2000年8月より独立系FPとして独立。3つの独立系FP会社設立に参画。
現在、顧客サイドに立ったシンの独立系FPのネットワーク確立のため、(株)優益FPオフィス代表として活動中。


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