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アットホーム投資 投資コラム 不動産投資の今!! 長期金利と消費者物価の動向

不動産投資の今!!

長期金利と消費者物価の動向

更新日:2012/7/5

不動産投資を行う上で、資金の借り入れをする人はたくさんいます。借り入れに際し、金利の高低は当然返済額に影響を与えますし、また金利と密接に関連している物価の動向は家賃収入や物件価格などに影響を与えます。これらは、投資の可否判断や成否に関わる重要な要素であるともいえます。そこで、今回は金利と物価について、過去10年の動きから現在の状況をまとめてみます。

■世界のリスクマネーが日本の低金利傾向を作っている

まずは金利の状況を見ましょう。下記のグラフは2002年以降の新発10年国債利回り長期金利の代表的な指標(緑)、長期プライムレート(青)、短期プライムレート(赤)の動向を見たものです。グラフを見てもわかるように、2007年頃から長期金利は低下傾向が続いています。

例えばヨーロッパ諸国を見ますと、ギリシャやスペインなどは国債のデフォルト(債務不履行)懸念から、国債の金利が上昇(国債価格は低下)しています。そのためギリシャやスペインのようにGDP比で債務残高が高い日本も金利が上がるのではないかという声も聞かれましたが、ヨーロッパ諸国とは異なり2012年6月時点で長期金利は0.8%台。市場では金利が上がる傾向は見られません。

過去10年の金利の動向

日本の長期金利が低い背景には、世界のリスクマネー(ベンチャー企業への投資資金などの、ハイリスクながらハイリターンを求める投資に投入される資金)の動きがあります。ヨーロッパの債務問題への警戒感から、リスク回避の動きが起こり、他の通貨よりも日本の円に投資資金が向かいやすくなり、円高にもなっています。またリスク回避の動きは、株から国債への資金のシフトを意味しますので、日本国債に買いが入りやすくなっているとも言えます(国債が買われると金利は低下します)。もちろん、その他にも日本銀行による金融緩和も低金利の一つの要因になっているでしょう。

■まだまだ物価は上がらない可能性が

次に物価の動きを見ておきましょう。下記のグラフは、過去10年とここ1年の消費者物価指数の動向です。

過去10年の消費者物価指数(前年度比)
過去1年の消費者物価指数(前年同月比)

現状では上のグラフで見るように、原油や小麦など商品価格の上昇が目立った2008年こそ前年比1.2%の物価上昇になりましたが、リーマンショック以降の景気落ち込みで2009年は大きくマイナス、2010年も同じくマイナスになりました。2011年はプラスマイナス0の水準とマイナス幅は少しずつ縮小傾向です。2012年になってからは、2月〜4月にかけては3カ月連続、前年同月比でプラスに推移しています。

物価に関する舵取りを行うのが日本銀行(日銀)です。日銀は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することを理念として、金融政策を運営しています」(日本銀行「経済・物価情勢の展望(2012年4月)」より)。その日銀が定めている「中長期的な物価安定の目途」とは「消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域」としており、「当面は1%を目途」としています(同)。1%前後の物価上昇が日本にとって望ましい水準、と考えているわけです。

この「経済・物価情勢の展望(2012年4月)」によれば、2012年〜2013年についての見通しは「後半にかけて0%台後半となり、その後、当面の「中長期的な物価安定の目途」である1%に遠からず達する可能性が高い」と述べている一方で「その実現にはなお時間がかかるとみられる」ともまとめています。

■不動産投資を行う上での考え方

金利と物価の動向を見てきました。金利については低下傾向が続いています。もし、日銀が目標にしている1%前後の物価上昇が安定的に続くようになれば金利も上がっていくかもしれませんが、そうなるまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。

金利が低いということは、借り入れを活用する不動産投資には有利です。一方で、デフレになると借り入れを使って不動産投資を行うには不利になります。物価が下がっていく場合、家賃の額も下落していくはずですが(物件が古くなることでの下落分もあります)、一方で一度組んだローンの額はたとえ物価が下落したとしても減ることはなく、結果としてローン負担が大きくなるからです。

金利を決める要素は、将来どれくらい物価が上がるか想定して計算される「期待インフレ率」、将来どれくらい経済が成長するかを想定して計算される「期待経済成長率」、投資家がリスク商品に対してどれだけの上乗せ収益を期待しているかによって計算される「リスクプレミアム」の三つです。一般的には物価が上がれば金利も上昇する傾向がありますが、物価が下がっていても「リスクプレミアム」による金利上昇の可能性はゼロではありません。不動産投資を検討する際のシミュレーションでは、金利は上がる(借り入れの返済額は増えていく)と想定する一方で、家賃や売却時の物件価格についてはデフレの影響による下落も想定しておく、といった保守的な姿勢で考えていくとよいのではないでしょうか。

山本 俊成氏
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山本 俊成氏

株式会社ファイナンシャル・マネジメント
ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー((財)住宅金融普及協会認定)

2001年、ファイナンシャルプランナー資格取得。都市銀行、保険会社での勤務経験を生かし、クライアントに対し実務的なコンサルティングを行う。特に保険、住宅ローン分野を得意とする。


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