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不動産投資の今!!

世間を騒がせている企業年金の問題〜年金の運用ついて〜

更新日:2012/4/5

ここ最近、世間を騒がせているAIJ投資顧問株式会社による、約2000億円といわれる企業年金消失問題。今回は「年金の運用」にスポットを当ててお話ししていきます。

■消えてしまった約2000億円は主に中小企業の厚生年金基金

そもそも企業年金とは、日本の年金制度の構造が「3階建て」といわれる中の3階に当たる部分を指します。ちなみに、1階は、20歳以上60歳未満の国民すべてに法律で加入が義務付けられている「国民年金(基礎年金)」、2階は厚生年金が適用される事業所で働く70歳未満の会社員が対象となる「厚生年金」や公務員が対象となる「共済年金」で、いずれも国が運営する形を取っています。

3階部分となる企業年金にはいくつかの種類があります。厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型)、中小企業退職金共済制度(独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部が運営)、商工会議所・商工会等が行う特定退職金制度などです。

今回の問題については、厚生年金基金、確定給付企業年金といった企業が運用するものが該当します。確定拠出年金(企業型)は、企業が掛金を従業員に拠出して、加入者である従業員自らが運用する形ですので、今回の問題と直接の関連はありません。勤務先の企業年金が、現状どういったタイプなのかを今一度確認してみると良いかもしれません。

AIJ投資顧問株式会社は、建設会社や運送会社など中小企業の厚生年金基金の運用を主力としていて、昨年3月末時点で、74の厚生年金基金と契約をしていたと言われています。ちなみに、企業年金連合会によると、厚生年金基金は578基金(2012年3月1日時点)あるので、全体に占める割合としてはそれほど高くないといえます。

ただ、厚生年金基金の中でも、同一業種や同一都道府県内の中小企業が集まった形で設立する「総合設立」と言われるタイプや積み立て不足が大きい企業年金では、今回の運用の損失が与える影響がいろいろな意味で大きくなりそうです。仮に、積み立て不足に対する穴埋めができなくなった場合には、最悪の事態として、基金が解散されることもあります。その結果、現役世代の人はもちろん、既に受給している人も年金をもらえなくなるといったことも起こり得ます。

■投資顧問会社側の情報開示と委託側でのリスク管理が重要

では、どうして2000億円が“消える”といった事態が発生したのでしょうか? AIJ投資顧問自体の体質に問題があるのは言うまでもないでしょう。ほかの要因としては、昨今の運用環境の悪化などを受けて、企業年金が高いリターンを目指すために複雑な金融派生商品を組み入れていった点が挙げられます。

AIJ投資顧問の場合、実際のところはよくわかりませんが、複雑な金融派生商品への投資が売り物だったという話もあります。ただ、金融派生商品へ投資を行うような「ヘッジファンド」が、一様にリスクが高いということではありません。きちんとリスクを抑えた形で運用されているものもあることは補足しておきます。

今回のことを受けて、単純にリスクの高い運用に対する規制を強化すると、それはそれで弊害も出てくると思います。まずは、投資顧問会社に経営や運用状況の情報開示をさせること、運用を任せる側としてはリスクをきちんと管理することが必要になってくるでしょう。

ところで、今回の約2000億円という被害額とは比べものにならないくらい規模の大きい国の年金(公的年金)の運用はどうなっているのでしょうか。公的年金は、全額政府が出資している年金積立金管理運用独立行政法人によって運用されています。

年金積立金管理運用独立行政法人のホームページに掲載されている情報によると、基本とするポートフォリオ(資産の構成割合)は、国内債券(主には国債)が67%、国内株式が11%、外国債券が8%、外国株式が9%、短期資産が5%となっています。運用資産の規模が100兆円を超える規模ということもあり、相対的にリスクの低い国内債券を中心に、国際分散投資を行っています。

管理・運用状況は、年金積立金管理運用独立行政法人のホームページ上に掲載されていますので、見てみてください。

不動産投資を私的年金として活用する場合、公的年金、企業年金・退職金の上乗せという位置付けになるかと思います。老後に向けて、どの程度の部分を私的年金で備えるかを検討する上で、上記のような公的年金や、該当する人は企業年金に関して注視しておく必要があるといえます。

大倉 修治
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大倉 修治

株式会社ファイナンシャル・マネジメント
CFPR、1級FP技能士、宅地建物取引主任者

大手住宅メーカー、住宅・マンションディベロッパー、外資系生命保険会社を経て現職。
現在、独立系FPとして主に一般生活者に対するコンサルティング業務や各種セミナーの講師、マネー誌等への寄稿などを行う。


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