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アットホーム投資 投資コラム 不動産投資の今!! 平成23年度税制改正大綱

不動産投資の今!!

平成23年度税制改正大綱

更新日:2011/2/3

昨年12月16日、「平成23年度税制改正大綱」が閣議決定されました。税制改正大綱をもって直ちに税制改正されるわけではないですが、この大綱に沿って“政府が作成した法案”を国会で審議する形になりますので、内容をよくチェックしておく必要があります。

今回は、平成23年度税制改正大綱のうち、不動産投資に影響を及ぼすと思われる部分の概要とその影響について触れていくことにします。


高所得者、法人役員等の給与所得控除額の見直し(平成24年分以降)

現在の給与所得控除は、給与収入に応じて徐々にその控除額が増加していく仕組みになっていますが、今回、一定の収入を超えると上限が設けられるなどの見直しが行われています。具体的には次の通りです。その年中の給与収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除額は245万円が上限となります。また、高額な法人の役員給与等が2,000万円を超える場合、その給与に係る給与所得控除額が縮減されます。具体的には以下の通りになります。

<現行制度>
給与の収入金額(A)給与所得控除額
162.5万円以下65万円
162.5万円超  180万円以下(A)×40%
180万円超  360万円以下(A)×30%+18万円
360万円超  660万円以下(A)×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下(A)×10%+120万円
1,000万円超(A)×5%+170万円
<平成24年分以降(改正案)>
給与の収入金額(A)給与所得控除額
1,500万円以下現行制度と同じ
1,500万円超 245万円
役員等2,000万円超 2,500万円以下245万円−{(A)−2,000万円}×12%
2,500万円超 3,500万円以下185万円
3,500万円超 4,000万円以下185万円−{(A)−3,500万円}×12%
4,000万円超125万円

例えば、年収2,000万円の会社員の場合、現行制度での給与所得控除額は2,000万円×5%+170万円=270万円ですが、平成24年分以降は245万円となります。
 年収3,000万円の会社役員の場合、現行制度での給与所得控除額は3,000万円×5%+170万円=320万円ですが、平成24年分以降は185万円となります。

給与所得は、「給与収入」−「給与所得控除額」という算式で計算しますが、「給与所得控除額」が減らされるということは、その分、課税対象となる所得金額が増える=税負担が増すことになります。

なお、所得税額計算の流れについては、不動産投資の今!!「個人の所得に対する課税の見直し!?」をご参照ください。

余談かもしれませんが、上記の「役員等」には法人税法上の役員だけでなく、国会議員および地方議会議員、一定の要件を満たした国家公務員および地方公務員も該当します。

法人税率の軽減

平成23年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税の税率が、以下の表の通り引き下げられます。

現行制度(A)改正案
普通法人30%25.5%
中小法人所得800万円超30%25.5%
所得800万円以下18%(注1)
(本則22%)
15%(注2)
(本則19%)
(注1):租税特別措置法により、平成21年4月1日から平成23年3月31日までに終了する事業年度に適用されている。
(注2):租税特別措置法により、平成23年4月1日から平成26年3月31日までに終了する事業年度に適用されている。

まとめ

今回の税制改正大綱では、上記以外には、相続税の課税ベースの拡大、贈与税負担の緩和なども掲げられています。「資産課税」に関することはまた別の機会に触れたいと思います。

上記のまとめとしては、個人所得に対する課税は「高所得者」に対する課税の強化、法人所得に対する課税は「税率の引き下げ」となっているということです。
 今後、不動産投資の規模を大きくすることを検討している方などは、法人(不動産管理法人等)名義での物件購入含め、個人と法人の税負担のバランスを考慮した戦略を立てる必要性が高まってくるといえます。

不動産投資には「税金との闘い」といった側面もあります。上記の内容はまだ決まったことではないですが、引き続き、注視していく必要があるでしょう。

大倉 修治
マイアドバイザー.jp登録
大倉 修治

株式会社ファイナンシャル・マネジメント
CFPR、1級FP技能士、宅地建物取引主任者

大手住宅メーカー、住宅・マンションディベロッパー、外資系生命保険会社を経て現職。
現在、独立系FPとして主に一般生活者に対するコンサルティング業務や各種セミナーの講師、マネー誌等への寄稿などを行う。


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