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アパートを建てた場合の相続税の軽減効果

平成23年度の税制改正法案では震災の影響等から相続税に関する改正案は見送られました。しかし相続税については増税される方向に進んでいると考えてよく、今後基礎控除額の引き下げにより相続税を払う人は増加することが予想されます。今回のシミュレーションではアパートを建てることによる相続税の軽減効果を確認します。

更新日:2011/10/20

シミュレーションの前提

【共通の前提】

  • 自宅土地の相続税評価額:1億円。
  • 現金預金:1億円。
  • 家族構成はご自身(Aさん)、配偶者(Bさん)、子ども2人(Cさん、Dさん)の4人家族とする。
  • 相続税の基礎控除は、5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円 とする。

<ケースA:特に対策をしない場合>

  • 自宅土地1億円と現金預金1億円が相続財産。

<ケースB:アパートを建てる場合>

  • 1億円の現金預金のうち8,000万円を使ってアパートを建てるとします。4,000万円で土地(200u)を購入し、その上に4,000万円の建物を建てるとします。

シミュレーションの結果

<ケースA>

ケースAの相続財産額:2億円。

<ケースB>

ケースBの場合の相続財産額を計算すると以下のようになります。

1)アパートを建てた土地の評価額:1,312万円
時価4,000万円の土地ですが、相続税評価額(路線価)はだいたい時価の7割〜8割になりますので、ここでは4,000万円×80%=3,200万円とします。アパートを建てている土地では居住者がいる分、所有者は自由に処分することができませんので、その分の評価減があります(貸家建付地)。3,200万円×(1−0.6×0.3)=2,624万円とします(借地権割合60%、借家権割合30%)。
※貸家建付地の評価=更地×(1−借地権割合×借家権割合)

さらに小規模宅地等の課税特例により200uまでの土地の評価は50%になりますので、2,624万円×50%=1,312万円が評価額となります。
2)アパートの建物自体の評価額:1,400万円
建物の相続税の評価額(=固定資産税の評価額)は木造の場合、だいたい建築価格の50%程度になると言われており、ここでは4,000万円×50%=2,000万円とします。さらに貸家にしている分の評価減があり、仮に30%の評価減ができたとすると(借家権割合30%だとして)、2,000万円×(1−0.3)=1,400万円が建物の相続税評価額となります。
3)金融資産の評価額:2,000万円
4)自宅土地の評価額:1億円
5)合計:1億4,712万円

まとめ

ケースA、Bの相続税の総額を計算すると下表のようになります。ケースBの場合、約1,000万円分相続税を軽減できていることがわかります。

<相続税の総額の比較>

ケースAケースB
課税価格2億円1億4,712万円
基礎控除8,000万円(5,000万円+1,000万円×3人)8,000万円(5,000万円+1,000万円×3人)
基礎控除後の課税遺産総額1億2,000万円6,712万円
法定相続分の計算配偶者B6,000万円(1億2,000万円×1/2)配偶者B3,356万円(6,712万円×1/2)
子どもC3,000万円(1億2,000万円×1/4)子どもC1,678万円(6,712万円×1/4)
子どもD3,000万円(1億2,000万円×1/4)子どもD1,678万円(6,712万円×1/4)
相続税総額計算配偶者B6,000万×30%−700万円=1,100万円配偶者B3,356万×20%−200万円=471.2万円
子どもC3,000万×15%−50万円=400万円子どもC1,678万×15%−50万円=201.7万円
子どもD3,000万×15%−50万円=400万円子どもD1,678万×15%−50万円=201.7万円
合計1,900万円合計874.6万円

※配偶者の税額軽減の適用はないものとして計算。

※相続税総額とは、すべての相続財産に法定相続分における相続割合を掛けたものに、税額を掛けたものから控除額を引いた合計。法定相続分における相続割合は、このケースは子が二人なので、配偶者が1/2、残りの1/2を子で均等に割るため子は1/4ずつとなります。

アパートを建てると相続税軽減効果があるのは、貸家建付地評価や小規模宅地等の課税特例、建物の時価と路線価との差などがあるためです。もし今回のケースBのように全額を自己資金でまかなうのではなく、ローンを組んでアパートを建てる場合にはローンの分は相続財産から控除することもでき、さらに評価減につながる可能性も考えられます。

シミュレーションでは基礎控除額を現行の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」として計算しましたが、見送りになった税制改正法案ではこの基礎控除額が「3,000万円+600万円×法定相続人数」となっていました。今後この案どおりの改正が行われれば、基礎控除額が下がる分、相続税を払う人も増えるでしょうし、相続税負担が重くなる人も増えるでしょう。

不動産投資は相続税対策だけが目的ではないので、無理にアパート経営に乗り出す必要はありません。安定的に家賃収入が得られればよいのですが、想定どおりの家賃収入が得られなければ、ご自身や相続される人の重荷になってしまうこともありえます。相続対策の面からだけでなく、不動産の経営面やライフプランという面からも専門家に相談してご自身のケースを考えてみることをおすすめします。

山本 俊成氏
マイアドバイザー.jp登録
山本 俊成氏

株式会社ファイナンシャル・マネジメント
ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー((財)住宅金融普及協会認定)

2001年、ファイナンシャルプランナー資格取得。都市銀行、保険会社での勤務経験を生かし、クライアントに対し実務的なコンサルティングを行う。特に保険、住宅ローン分野を得意とする。


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