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相続税の増税に備える

2011年6月に平成23年度の税制改正法案の一部が成立しました。当初の改正案には、法人税率の引き下げや相続税の基礎控除額の引き下げなどが盛り込まれていたのですが、震災の混乱もあり、結局今回は多くの部分の改正が見送りとなりました。

ただし、やはり今後相続税については増税の方向に進んでいると考えて差し支えないと思います。そして相続税の改正に関しては基礎控除額の引き下げが大きなポイントとなります。現在の基礎控除額と、改正案に記されていて結局今年度は見送りになった基礎控除額をまとめると以下のようになります。

現在の相続税の
基礎控除額
基礎控除5,000万円+1,000万円×法定相続人数
平成23年度税制改正大綱
に記載されていた
基礎控除額(見送り)
基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人数

今回はもしこの改正案が実施された場合、どれくらいのインパクトを与えるのかをシミュレーションで見ることにします。

更新日:2011/8/25

シミュレーションの前提

【共通の前提】

  • 自宅土地の路線価:300,000円/m²(坪単価:約1,000,000円)。
  • 自宅土地の大きさ:200m²(約60坪)。
  • 自宅建物の固定資産税評価額:5,000,000円。
  • 金融資産:50,000,000円。
  • 家族構成はご自身(Aさん)、配偶者(Bさん)、子ども2人(Cさん、Dさん)の4人家族とする。

Aさん死亡後、財産を次のように相続すると仮定する。

  • 自宅の土地、建物は配偶者が相続する。
  • 金融資産5,000万円のうち4,000万円を配偶者が相続する。
  • 金融資産5,000万円のうち子C、子Dはそれぞれ500万円ずつ相続する。

<ケースA:従前の基礎控除額の場合>

  • 5,000万円+1,000万円×法定相続人3人=8,000万円

<ケースB:改正案の基礎控除額の場合>

  • 3,000万円+600万円×法定相続人3人=4,800万円

シミュレーションの結果

Aさんの相続税評価額を計算すると以下のようになります。

1)土地の評価:1,200万円

300,000円/m²×200m²=60,000,000円
小規模宅地の特例を考慮し、60,000,000円×20%=12,000,000円

2)自宅建物の評価:500万円(固定資産税評価額)

3)金融資産の評価:5,000万円

4)合計:6,700万円

現在の相続税基礎控除額(ケースA)は8,000万円ですので、相続税はかかりません。一方改正案での基礎控除額(ケースB)は4,800万円となり相続税がかかる可能性があります。ケースBの場合の相続税の計算は以下のように行います。

1) 課税遺産総額:1,900万円

  • 6,700万円−4,800万円=1,900万円

2)相続税総額:190万円

  • 相続税総額計算 配偶者B分:1,900万円×1/2=950万円→ 税率10%:95万円
  • 相続税総額計算 子C分:1,900万円×1/4=475万円→税率10%:47.5万円
  • 相続税総額計算 子D分:1,900万円×1/4=475万円→税率10%:47.5万円

3)相続税:28万円

  • 相続税 配偶者分:190万円×(1200+500+4000)/6700≒161万円→配偶者の税額軽減により0に。
  • 相続税 子C分:190万円×500/6700≒14万円
  • 相続税 子D分:190万円×500/6700≒14万円

※相続税総額とは、すべての相続財産に法定相続分における相続割合を掛けたものに税額を掛けたものの合計。法定相続分における相続割合は、このケースは子が二人なので、配偶者が1/2、残りの1/2を子で均等に割るため子は1/4ずつとなります。

まとめ

ケースBの場合、配偶者が全ての財産を相続するのであれば、配偶者の税額軽減がある分、実際の相続税負担は0になる可能性も高いですし、上記の例のように28万円程度の税額であればさほど大きな負担とは言えないかもしれません。しかし相続税の基礎控除の改正がなされるのであれば、今後相続税を払う世帯数は確実に増えてくるということは言えるでしょう。相続税なんて自分は関係ないと思う人も多いかもしれませんが、今回のケースのような世帯というのはそれほど珍しい事例ではないと思います。

相続税対策を考える場合、例えば金融資産をそのまま持ち続けるのではなく、金融資産の一部とローンとを使い、土地を購入してアパートを建てることで相続税の評価額を低くすることできます。アパートを建てた場合の相続税の軽減効果については、次回以降に詳しく触れる予定でいますが、以下三つの理由で相続税の軽減効果があるからです。

  • アパートを建てると、部屋を借りる人が存在する分、土地所有者がその土地を自由に扱うことができないため土地の評価が下がります(貸家建付地)。
  • アパートの建物自体の評価(固定資産税評価額)も建築価額に比べると低くなります。
  • 相続時にローンの残高がある場合、相続財産の価額からその金額が控除されます。

もちろん節税だけが不動産投資の目的ではありませんが、不動産投資を行う一つの意義として相続対策のことを改めて考えてみてもよいでしょう。

山本 俊成氏
マイアドバイザー.jp登録
山本 俊成氏

株式会社ファイナンシャル・マネジメント
ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー((財)住宅金融普及協会認定)

2001年、ファイナンシャルプランナー資格取得。都市銀行、保険会社での勤務経験を生かし、クライアントに対し実務的なコンサルティングを行う。特に保険、住宅ローン分野を得意とする。


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