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アットホーム投資 投資コラム 不動産投資AorB 投資の「出口」を踏まえた収益率の比較

いろいろな場面で比較する不動産投資AorB

投資の「出口」を踏まえた収益率の比較

不動産投資の成否は、物件を購入した段階での“初年度の利回り”だけでは計ることができません。一定期間保有し、将来的に売却するなどの「出口」のところも踏まえて判断する必要があります。今回は、不動産投資を行った結果得られるインカムゲインと将来の売却価格(キャピタルゲインorキャピタルロス)を加味した、「一定の投資期間」を基準にした投資分析の仕方について、二つのシミュレーションを通じて見ていきたいと思います。

更新日:2011/3/17

シミュレーションの前提

【共通の前提】

  • 物件価格:2,000万円
  • 物件購入時の諸費用:120万円(物件価格の6%)
  • 物件購入時の自己資金:320万円(物件価格×10%+物件購入時の諸費用)
  • 借入金額:1,800万円
  • 借入金利:3% (金利は10年間、変わらないものとする)
  • 返済期間:30年⇒ローンの年間返済額:910,656円
  • 年間の不動産賃貸事業運営上の諸経費:家賃収入の20%
  • 物件を10年経過後に売却
  • 売却時の諸経費(仲介手数料等):売却価格×4%

<Aさんのケース>

  • 表面利回り8%の物件を購入→家賃収入(総潜在収入)は160万円(2,000万円×8%)
  • 物件の稼働率は、1〜5年目:95%、6〜10年目:90%
  • 10年経過後の売却価格:1,550万円

<Bさんのケース>

  • 表面利回り7%の物件を購入→家賃収入(総潜在収入)は140万円(2,000万円×7%)
  • 物件の稼働率は、1〜5年目:97%、6〜10年目:95%
  • 10年経過後の売却価格:1,750万円

シミュレーションの結果

以下の表は、AさんとBさんの1年目から10年目、各年の税引き前のキャッシュフロー(※1)の推移を示しています。

<税引き前のキャッシュフローの推移>

AさんBさん
当初の投資金額(−)3,200,000円(−)3,200,000円
1年目(+)289,344円(+)167,344円
2年目(+)289,344円(+)167,344円
3年目(+)289,344円(+)167,344円
4年目(+)289,344円(+)167,344円
5年目(+)289,344円(+)167,344円
6年目(+)209,344円(+)139,344円
7年目(+)209,344円(+)139,344円
8年目(+)209,344円(+)139,344円
9年目(+)209,344円(+)139,344円
10年目(※2)(+)1,453,740円(+)3,255,740円
合計(※3)(+)537,836円(+)1,449,836円

※1 家賃収入から稼働率と運営上の諸経費を加味して算出した「純収入(NOI)」からローンの年間返済額を差し引いた金額。

※2 10年目の金額は、10年目のインカムゲインに売却時の手残り額(売却価格から10年経過後のローン残高と売却時の諸経費を差し引いて算出)を加えて算出。

※3 当初の投資金額は“出て行ったお金”なのでマイナス、以降の10年間で“入ってきたお金”(税引き前のキャッシュフロー)はプラスとして総合計した金額。

Aさんのほうが、Bさんより高い利回りの物件を購入しています。しかし、売却時の価格がBさんより200万円低いこともあり、結果的には、Bさんのほうがより多くの収益を上げることができました。

もちろん、売却するタイミングによって、結果が変わってくることも考えられます。このシミュレーションを通じて申し上げたいのは、投資を検討する上で、「投資の“出口”を迎えたところで、結果どうなりそうのか」「“出口”をどのタイミングで迎えるのか」といったことも意識しておく必要があるということです。

また、「一定の投資期間」を基準に投資判断をする際には、お金の時間的な価値の違いを考える必要があります。

唐突ですが、例えば、ボーナスとして100万円を「今もらう」のと「1年後にもらう」のとでは、どちらが得でしょうか?

「今もらう」ほうが得となります。100万円を「今もらう」と、それを仮に年率1%で運用できれば、1年後には手元に101万円残ることになります。一方、「1年後にもらう」場合は、100万円のままです。つまり、同じお金でも「現在の価値」と「将来の価値」では異なるということです。1年間運用して利息が1%つくのであれば、「1年後にもらう」100万円の「現在の価値」は、1%割り引いて考える必要があります。つまり、この場合の現在の価値は、100万円÷(1+0.01)≒99万円となります。

この例を収益不動産に置き換えて考えてみます。

収益不動産の価値は、将来、その不動産がどのぐらいの収益を生み出すかによって変わってきます。将来その不動産から得られるであろうキャッシュフローの合計が、その不動産の価値となります。ここでの「将来得られるであろうキャッシュフロー」については、上記の例のとおり、それを評価する上では、額面どおりに捉えるのではなく、「現在の価値」に置き換えて(割り引いて)検討する必要があります。

上記のような考え方を踏まえた、「一定の投資期間」を基準に投資判断をする際の指標として「内部収益率(IRR=Internal Rate of Return)」というものがあります。

「IRR」とは、不動産投資における「投資期間中の収益(キャッシュフロー)の現在の価値に割り戻したその合計額」と「投資額」とが等しくなるような収益率(割引率)のことをいいます。

小難しそうですが、簡単に計算できます。上のケースでの「IRR」は、エクセルのシートに、税引き前のキャッシュフローの推移の数字を入力し、関数の中から「IRR」を選択して、入力した部分を範囲指定すれば、一発で計算できます。

ちなみに上のケースでの「IRR」は、Aさんは2.4%、Bさんは4.6%となります。

この「IRR」が不動産投資に期待する収益率を上回っていれば、「投資することでメリットがある」といったような話になります。

こういった分析の仕方がすべてではありませんが、一つの指標とはなり得ますので、活用してみると良いかと思います。

大倉 修治
マイアドバイザー.jp登録
大倉 修治

株式会社ファイナンシャル・マネジメント
CFPR、1級FP技能士、宅地建物取引主任者

大手住宅メーカー、住宅・マンションディベロッパー、外資系生命保険会社を経て現職。
現在、独立系FPとして主に一般生活者に対するコンサルティング業務や各種セミナーの講師、マネー誌等への寄稿などを行う。


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